archived:アイマスで分かるソ連権力闘争

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講座紹介


この講座では、旧ソ連で起こっていた権力闘争を、ドラマ仕立てで紹介します。
旧ソ連の歴史、人物の文献は、執筆者・編者の主義主張によって大きくバイアスがかかります。そのため実像を知ろうとすると、何冊もの本の中から読み手が答えを見つけなければなりません。ですが当講座では極端な主張、評価をネタとして扱うことによって、むしろ面白さに変えていければと思っています。よろしくおつきあいください。

登場する人物は、社長+アイドル数を上限にしています(つまり架空戦記シリーズみたいに、歴史上の人物がそのまま登場することはない)。これはまあなんとなく。あまり増えるとこんがらがって眼から変な汗が出てくるから。

ちょっと追記:
ニコニコ動画にNHKのドキュメンタリー「社会主義の二十世紀」がアップされていて、正直内容がかぶりがちです。あの番組面白いし。向こうでは触れられない小ネタをたくさん挟まないと差別化できないんで、ちょっと方針変えるかもしれません。……とか考えていたら、動画が削除されていた。わあ。

  • 扱う期間
革命前~アイスピックまで(仮)


参考文献

一気に書くのはしんどいので、少しずつつけ加えていきます。

通史

山川出版社
「ロシア史」
「ポーランド・ウクライナ・バルト史」
「北欧史」
参考書で有名な山川出版社の本。7世紀当たりから書かれているので、ロシア革命が大きく扱われているわけではないが、歴史を通して知りたい場合は最適。

マーティン・メイリア
「ソヴィエトの悲劇 上・下」
社会主義の発端からソ連崩壊までを描く本。高校の教科書程度の知識があれば、理解するのは難しくない。著者は第二次大戦中レンドリース任務にかかわったという経歴の持ち主。

エレーヌ・カレール=ダンコース
「ソ連邦の歴史 1・2」
革命からスターリン体制の終焉までが書かれた本。上記の本に満足できず、「スターリン時代についてもっと詳しく知りたい」ときには最適。

ロシア革命

ハリソン・E・ソールズベリー
「黒い夜 白い雪」
著者はジャーナリスト。1905年から1917年までのできごとを、溢れんばかりの資料を駆使して克明に記している。膨大な人名と注釈が出てくるので多少の読みにくさを感じるが、ロシア革命に興味がある人は必読。

ジョン・リード
「世界をゆるがした十日間」
ルポライターの著者がペトログラードで10月革命を体験。その様子を記した本。当時の演説や談話、声明文がぎっしりと詰まっている。臨場感溢れる内容で、トロツキーが「酒は禁止」と主張した演説はこの本に載っていた。リードはアメリカ社会党左派(アメリカ共産党の前身)所属だが、この本に政治的なバイアスは特に感じられない。そもそも本として面白い。

E・H・カー
「ロシア革命 レーニンからスターリンへ」
専門家向けの大作「ソヴィエト=ロシア史」を分かりやすく書き下ろした本。カーは有名な歴史家だが親ソ派で、ところどころソ連を持ち上げようとする記述が見え隠れする。原著の発刊は1979年。

ニコラ・ヴェルト
「ロシア革命」
2月革命と10月革命を、写真資料をふんだんに使って描いた本。非常に読みやすくてオススメ。ヴェルトは「共産主義黒書」の著者の一人なので、ボルシェビキには皮肉っぽい見方で書いている。

メドベージェフ
「1917年のロシア革命」
ソ連の反体制社会主義者である著者が、ロシア革命をこれでもかと批判した本。革命よりは直後の国家運営に力点が置かれている。文中のあちこちから「レーニン一味さえいなければ……」という無念さがにじみ出ていてびびる。

鈴木肇
「人物ロシア革命史」
著者が産経新聞のソ連担当だったためか、強烈な反ボルシェビキに彩られた本。レーニンへの悪口がたくさん。ただ、ロシアの社会主義政党と革命家のことが列伝となって記載されており、そのあたりが便利。wikipediaにも、この本からと思われる記述がいくつかある。

トロツキー
「ロシア革命史」
ボルシェビキ目線(というかトロツキー目線)から見たロシア革命の全貌。当事者なのに回顧録ではなく、歴史家のような書き方をするところが特徴。当たり前だがスターリンには冷たい。

猪木正道
「ロシア革命史」
できごとではなく、思想的な背景に重点が置かれている。日本人が日本人に向けて書いたので読みやすい。岩波を読むと左翼臭がきつくて嫌になる人にもお勧め。

人物

エレーヌ・カレール=ダンコース
「レーニンとは何だったのか」
終始一貫してレーニンに批判的な本。レーニン個人にスポットをあて、「なにをしたか」「その結果どのようなことになったか」が書かれている。超余談だが、うp主はこの人と山内昌之の本は卒論を書くのにお世話になりました。

ドイッチャー
「スターリン」
マルクス主義者の著者が記したスターリンの伝記の古典。ドイッチャーは反スターリニストなので批判的に書いてあるが、感情的にならず淡々と事実のみが記載されている。

産経新聞
「スターリン秘録」
新聞連載をまとめたもの。産経なので反スターリン一色。どこにも載っていなさそうな小ネタがびっしり書かれているので、そこが面白い。

ヴォルコゴーノフ
「レーニンの秘密」
知られざる資料を駆使したレーニン批判本。著者はなんとロシア陸軍大将(当時エリツィン顧問)。フルシチョフまで批判しているものすごさ。さすがに陸軍大将ともなると相当な博識で、ところどころウィットが効いている。

ヴォルコゴーノフ
「勝利と悲劇 スターリンの政治的肖像」
上記と同じ作者。スターリンの政治行動を批判した、とんでもなく分厚い本。知らないエピソードがたくさん。非常に読み応えがある。ソ連崩壊寸前に出版されており、著者は激動の手紙と同時に脅迫の手紙も受け取ったという。

ヴォルコゴーノフ
「トロツキー その政治的肖像」
やはり上記と同じ作者。これも批判本。「こいつ頭いいのにやってること間違ってるんだよねー」ということが、資料を駆使して書かれている。知らないエピソードも多い。トロツキーの著作と合わせて読むと面白い。

ラジンスキー
「赤いツァーリ 上・下」
スターリンの生涯を記した本。著者の本職が劇作家なためか、知られざるエピソードが見てきたかのように書かれている。当然反スターリン一色。

アラン・ブロック
「対比列伝 ヒトラーとスターリン 1~3」
ヒトラーとスターリンのやったことを、それぞれ時系列順に記した本。「ヒトラーがこんなことをしているとき、スターリンは……」という書き方で、文字通り対比して読めるようになっている。統計データにも意外と詳しい。

メドヴェージェフ
「ルイセンコ学説の興亡」
これを読むと変学者ルイセンコが、いかに学術的研究よりも政治力学を優先したかが分かる。イデオロギー優先は事実を曲げる。

秘密警察・収容所

リチャード・ディーコン
「ロシア秘密警察の歴史」
ロシア名物秘密警察の所行を時間軸に沿って書いた本。革命前からはじまっているので、オフラナにかなりページが割かれているのが特徴。

フリーマントル
「KGB」
スパイ小説の大家が書いた秘密警察本。第二次世界大戦後がメインなので、革命直後のことはそれほど書かれていない。チェーカーが「車輪止め用のくさびを意味する」ことはこの本ではじめて知った。

ソルジェニーツィン
「収容所群島」
大傑作。うp主にソ連への興味を持たせた本。逮捕、裁判から始まって収容所での生活からなにから非常な細かさで書いてある。ロシア文学的修辞が使われているので慣れないと読みにくいが、気合いでクリアだ。最近再販されたが、あえて新潮文庫版を古本で探すことをオススメする。電車の中でも読めるじゃん。

アン・アプルボーム
「グラーグ ソ連集中収容所の歴史」
ジャーナリスト的な目線から見た収容所の歴史。ソルジェニーツィンに書かれていないネタまで網羅されている。こちらの方が読みやすいかも。ピュリッツァー賞受賞作品。

クリヴィツキー
「スターリン時代」
OGPUで外事を担当していた著者が、亡命後に出版した回顧録。でっち上げの方法とか尋問方法がこと細かに書かれている。著者は1941年にアメリカで暗殺された。

ナターリヤ・ゲヴォルキャン
「不死身のKGB」
アルメニア人の著者が90年代にロシアで新聞連載したもの。「KGBのことはロシア人より西側の人間の方がよっぽど知ってる」そうな。工作に従事した当事者のインタビューが載っているので、臨場感たっぷり。ベリヤ時代の人体実験研究所が最近まで存続していたってマジ!?

思想

トロツキー
「裏切られた革命」
革命がどうしてこうなってしまったのか、というのをトロツキーが分析。スターリンの政治を(フランス革命の)テルミドール反動と同じと位置づけ、官僚がボルシェビキを破壊し、赤軍が階級制度を復活させてしまったと嘆く。思想書というより「トロツキーの愚痴集」として読んだ方が実は面白い。

猪木正道
「共産主義の系譜」
マルクスからチトー、現代に至るまでのマルクス主義を解説した本。著者は防衛大学校の校長をしたことがある人なので、皮肉っぽい書き口だがプロパガンダ臭さはない。手っ取り早くレーニンたちの思想的背景を知りたい場合は、この本が最適。

軍事

第二次大戦欧州戦史シリーズ14
「ソヴィエト赤軍興亡史1~3」
イカロス出版と並んで戦史に元気な学研から出ている大判の本。単なる戦闘の推移だけではなく、思想的背景や編成史に多くページが割かれている。動画と時代が重なっているのは1巻。

ヴォレンベルク
「赤軍」
創設からトゥハチェフスキー処刑まで書かれた本。内戦時の個々の戦闘について載っているのが役立つ。著者はドイツ人で、内戦終結後はバイエルンの共産主義者蜂起を煽っていた。

ノイベルク
「武装蜂起」
コミンテルンの指示によってドイツと中国で発生した武装蜂起について書かれた本。マニアックな内容で、「この蜂起は失敗ではない」とわざわざ傍点つきで記されているのが哀れを誘う。もちろん実際は失敗。

中村丈夫編
「マルクス主義軍事論」
レーニンやトロツキーらが軍事について語ったのをまとめた本。面白いことに、上記の本よりもイデオロギー臭さがない。当時の共産主義的軍事思想を知るにはわりといい本。

革命軍事論研究会編
「マルクス主義軍事論 現代編」
やはりレーニンやトロツキーの論文が載っているが前半だけで、半分以上はスペイン内戦と第二次大戦後の第三世界で起こった左派の軍事蜂起について書かれている。「民兵(ゲリラ含む)は必ず正規軍に勝利を収める」というのが主張の根幹。

学術論文系

冨田武
「スターリニズムの統治構造」
主に1930年代に絞って、スターリンとソ連共産党がどのような政策をおこなっていたかが書かれた本。政策決定のプロセスについてが非常に細かい。

岡田裕之
「ソヴィエト的生産様式の成立」
ソ連の政治、経済を批判的に論じた本。スターリン時代に絞って書かれている。溪内謙の著作とはある意味対極にある。

上島武
「ソ連史概説」
著者が大学で行った講義をまとめた本。あまり面白いとも目新しいとも言えないが、ソ連の官僚制について書かれた項目が目を引いた。

その他

歴史探検隊
「ジョーク ロシア革命史」
タイトルとは裏腹に、結構真面目に書かれている本。年表が意外と便利。

ステファヌ・クルトワ/ニコラ・ヴェルト
「共産主義黒書 ソ連篇」
「共産主義はナチと同じ。犯罪」と言い切る本。タイトル負けをしていないすさまじい内容に仰天。ここに書かれている逮捕や処刑は、一次資料に基づいているはずなので、嘘はないと思うのだが。一種の告発本なので、ぎらぎらした主義主張が苦手な人は読めないかもしれない。アジア篇もあるがうp主は未読。amazonレビューでトロツキスト(らしき人)が星一つをつけていて笑った。

ダニエルズ
「ロシア共産党党内闘争史」
そのものずばりの本。1960年発行なので事実関係の古さは否めないが、ソ連崩壊後の本と合わせて読めば問題なし。うp主はまずこの本で権力闘争の流れを確認しました。

ソ連邦司法人民委員部
「ブハーリン裁判」
ブハーリン裁判の公判記録。本文よりも鹿砦社が末尾にまとめた粛清年表が圧巻。1970年代の日本ではこんな本の邦訳を出すことができた。本の最後にあまり意味のないトロツキーの文章が載っていて首をひねるが、これは新左翼系の鹿砦社が自らの立ち位置を見失わないための重しみたいなもの。

ゲッティ/ナウーモフ
「ソ連極秘資料集 大粛清への道」
30年代の粛清のことを、命令書や演説を大量に引用して書かれた本。やたらと細かいことまで触れてある。エジョフの最終陳述とか読みごたえがあり。

web資料

ロシア革命と革命後の悲劇について色々。個人ページ。

軍事板常見問題。リンクはられたんではりかえしてやるぜ!実はうp主が昔書いた文章(ソ連ネタではない)がいくつか載っていることをここに自白。


その1


封印列車

画像は日本国内に見えるけどロシアのつもり。つもりったらつもり。

イスクラ

ソ連共産党の党史によると、イスクラ派にも「強固なイスクラ派」と「軟弱なイスクラ派」があって笑う。レーニンは当然前者。

レーニンの兄

レーニンの兄アレクサンドルは、皇帝暗殺計画の実行犯として刑場に消えた。そのときの態度は実に堂々としており、「不幸なロシア国民を救う目標しかなかった。祖国のために死ぬほど好ましい死に方はない」と語り、全ての罪を自分がかぶった。その精神には検事も感嘆したという。当時の過激派には左右の違いこそあれ、「祖国のため」にやっている人間は多い。現代になればなるほど、「自国の国際的地位を落とすため」にやる人間が増えてくる。

中央委員

これに選ばれると党の活動方針に影響を与えられる。組織が大きくなっていくと、当初目的よりもポスト獲得に血道を上げるのはどこも同じ。

ローザ・ルクセンブルク

スパルタクス団創設メンバー。ドイツ共産党の大物(コメントより)。ボルシェビキとは肌が合わなかったっぽい。

血の日曜日事件

デモを指導した神父ガポンについては、内務大臣スウヤハミルスキーの手先だとする説と、普通の神父だったとする説がある。どっちかワカンネ。

明石大佐

明石元二郎大佐。駐モスクワ日本公使館付武官。最終階級陸軍大将。革命派(含フィンランド独立派)のために、小銃2万丁以上、弾薬200万発以上を買い付けて送ったそうな。

ソビエト

評議会の意。ここではもっぱら労働者と兵士によって構成されるプロレタリアートの機関。当初はボルシェビキ以外によって構成されることが多かった。

エイゼンシュタイン

映画「戦艦ポチョムキンの反乱」を撮影した。映画史に残る監督。

ラスプーチン

1905年11月1日ニコライ2世「トボルクから来た神の人グレゴリー(ラスプーチン)に会った」と日記に記す。筆まめだね。

ストックホルム統一大会

なんか画像がなかったんで、ナチ党の党大会画像にしました。

「ブルジョワに買収されています」

レーニンは実際に文書にこう記して攻撃している。頭に来たメンシェビキが党内法廷に訴えると、「政治的闘争においては、身内に対する闘争であってもあらゆる手段が正当化される」と反論した。あずささん風に言うなら、「同じ事務所のアイドルでも、バストサイズを批判するのは正当行為です」。

協議会

党大会より一つ下の格付け。プラハでスターリンが中央委員に選出されたのと、某アイマス架空戦記がなんかかぶってる気がする。


その2


津田三蔵

大津事件の下手人。教科書ではニコライ2世が斬りつけられたことよりも、裁判で司法が政府の圧力をはねのけた例として載っていることが多い。

ストルイピンのネクタイ

他にも貨車に流刑囚を詰め込んでシベリアへ向かう列車を、ストルイピン車両と呼んだとか。

チフリス

グルジアの首都トビリシのこと。

偽ルーブル

ベルリンでドイツの警察が発見。しかも機材がドイツ社民党の機関誌を印刷している社屋にあったので、どえらい騒ぎになったとのこと。

「あのゆとりを縛り首にしなさい」

実際にアレクサンドラ皇后は「あの男を絞首台に送りなさい」とニコライ2世に詰め寄っている。「美希はー、今度ブランコに乗るのー。階段が13あるんだって」

オフラナ

実はオフラナ内部にも革命派のスパイが潜入することもあって、もう滅茶苦茶。

マリノフスキー事件

ボルシェビキの中で、マリノフスキーをもっとも非難したのはブハーリン。だけど動画では、ブハーリン自身がもっと後にならないのと出てこないので、メンシェビキだけが頑張って攻撃しているように見える。

サラエボ事件

wikipedia見たら、写真で捕まえられている男はプリンツィプ(オーストリア皇太子狙撃の実行犯)じゃないんだって! さっき知った。

シベリア送り

写真の白樺は本当にシベリアです。軽井沢ではありません。


その3


オフラナ

ケレンスキーは大の秘密警察嫌いで、オフラナを廃止した。

亡命

イギリス亡命はソビエトの反対でなくなった。欧州の王室ネットワークを考えると、亡命させた方が明らかによかったのだが。

多いか少ないか

モスクワの騒乱はもっと激しかったという話。

「没」

スターリンは実際に検閲をかけて、レーニンの書簡を没にしていた。

動員

クロンシュタットから水兵も呼ばれました。レーニン見たさに人が押し寄せたのは、翌日になってから。

インターナショナル(歌)

ラ・マルセイエーズは知っていた。

「ババアのうわごと」

正確には「キチガイのうわごと」。古参ボルシェビキであるボグターノフが漏らした一言。ちなみにボグターノフは血液交換に関する画期的な実験を自分で試そうとして、失敗して死んだそうな。

金持ち上位100人

「子供じみた救済策」とはケレンスキーの言葉。

ホフマン

ドイツ陸軍の大天才。ただし毒舌で傲慢。おかげで煙たがられた。ブレスト=リトフスク条約をまとめたのもこの人。

ケレンスキー攻勢

目指すはイスタンブール(トルコ領)だってんだから、無謀にもほどがある。

ビカチュウ

美希の髪型はむしろ美輪明宏。

フィンランド逃亡

鉄道車夫の変装をして逃げた。


その4


トロツキー

このころのトロツキーは、レーニンのやることのほとんどに賛成している。逆にカーメネフは反対ばかりしている。

ドイツ軍

攻勢にはオーストリア軍も加わっている。ただしどちらも西部戦線に忙しくて(オーストリア軍はイタリア戦線)、適当にすませていた感は否めない。

蜂起

実は10月革命には、左翼社会革命党とアナーキストが加わっていた。共産党史では無視されていることが多い。

スターリン

10月革命の蜂起の日、スターリンはなにをしていたか。どうもよく分からない。「世界をゆるがした十日間」にも数行(民族問題人民委員に任命されるところ)しか出てこない。逆に「なにもしていなかった」と書いてある資料ならある(ドイッチャーの本とか)。さすがに寝ていたわけではないと思うが。

トロツキーの演説

「歴史のゴミためへ行け!」とマルトフに言った。wikipediaにも載ってます。

女性大隊

初の女性大隊であるボチカレーア中尉率いる「決死隊」とは別。この決死隊はスモルゲンの戦いで「男は女のあとについてきなさい」と言い放って突撃したことで有名。
冬宮を守備した大隊が最後まで持ち場を離れなかったのは、赤衛兵に捕まったら暴行されると信じていたからという説がある。武装解除された彼女たちが暴行されたかどうかは定かではない。E・カレール=ダンコースは著書の中で「レイプが吹き荒れた」と書いているが、H・E・ソールズベリーは「一件もなかった」と言い切っている。ジョン・リードの著書には「小委員会の調査の結果3人が暴行を受けたとの証言が出た」と記している。一人自殺者が出たのは確実らしい。


その5


議長

レーニンはトロツキーに「革命は君が現場で頑張ったんだから、君が議長をやったら」と譲ろうとした。トロツキーは「ボルシェビキはあなたの組織なので」と辞退。

左翼社会革命党

すぐテロ行為に訴える政党。尖り具合はボルシェビキの上を行く。

酒禁止

「ブルジョワが兵士達を酒で惑わせているから、所有してる人は正確な樽の個数を申し出なさい。さもないとダイナマイトで爆破するよ」という布告が、ジョン・リードの著書に載っている。

新聞統制

みんなびっくり。トロツキーは「銀行も国有化するんだから、新聞も国家統制すべき」と驚くべき理屈。そりゃ野次も飛ぶわ。

憲法制定議会

帝政時代からやるやると言われていて、結局半日でボルシェビキが閉鎖。E・H・カーは「ブルジョワ的慣習に背を向けた」と苦しい褒め方をしている。

「算術的多数ではなく……」

ザロドフという理論家が言った。

ラトヴィア人狙撃兵

ここでは歩兵と同じ意味。チェーカーの忠実な手足。いずれ収容所にぶち込まれる運命。

赤軍

当時の赤軍に階級はない。階級格差をなくした前衛軍隊だから軍事的階級も当然存在しない。指導する人とされる人がいるだけ。実際は疑似的な階級があったらしいが。

ブハーリン

左翼グループを結成しているが、のちに右翼のレッテルが貼られることになる。それについては本編でいずれ。


その6


社会革命党の綱領のパクリ

レーニンは「別にいいじゃん」と言っている。

白軍

てんでバラバラ。統一された指揮系統がなかった。地理的にも赤軍に内線の利があった。

トゥハチェフスキー

彼に限らず、革命側は若くなりがち。とはいえ25で司令官ってお前……。

ロシア農村

ロシアの農業は地主及び農村共同体(ミール)によってなりたっていた。農村共同体の思想では、土地は神から与えられたものであり、私人ではなく公に共有しなければならない。これは原始共産制に近いもので、社会主義者たちの理想の一つ。一部知識人による「ミールに帰れ」という運動は実際にあって(ナロードニキ運動)、ここから「人民の意思派」を形勢し社会革命党の源流となっていく。レーニンたちの運動はこれとはちと違う。

富農

いわゆるクラーク。レーニンが目の敵にした。農村自由化における勝ち組。
革命前の話になるが、ストルイピンは改革によって共同体の解体を目指しており、土地を農民に所有させて自由に市場で売らせ、意欲と生産量の増大を目指していた。これは成功すると富農になるが、失敗すると小規模自由農家から貧農に転落する諸刃の剣。
なおストルイピン改革は進んでいた、進まなかったと2種類の解釈があって、うp主にはどちらが正解か判断がつかない。

闇屋

大規模なものになると河川上で穀物をやりとりし、警備艇が護衛をしていたとか。

カンボジア

みんなポルポトに詳しいね。うp主が読んだ本には、北朝鮮を訪問したポルポトが「この国はぬるい」と評したと書いてあったけどマジですか。超余談だが、アニメ「装甲騎兵ボトムズ」のクメン編にポル・ポタリアというキャラクターが出てきて笑い転げた記憶がある。善玉だった。

国家の買い上げ

最初は穏便だったが、徐々に強制力を伴い、農民たちの顔面を凍らせていく。

食糧独裁

後世の反共産主義学者がつけたネーミング風だが、どうも当時の公文書に使われていた模様。

左翼エスエルの蜂起

この左翼社会革命党の蜂起ははっきり言っていい加減で、せっかくチェーカー本部を制圧してもそのあとの計画がなかった。制圧できたのは、チェーカー隊員の中に社会革命党シンパがいたから。

収容所

ラーゲリあるいはグラーグ。グラーグというのは収容所管理総局の略称。転じて収容所そのものを現わす言葉になった。

スターりん

「他人にプレッシャーをかける能力はスターりんが一番すごいの」ってカーメネフが言ってた。


その7


尼港事件

日本人がたくさん殺されました。この事件は第二次大戦後まで尾を引いたとかなんとか。

ドイツ降伏

連合国はドイツに「ウクライナとベラルーシにはしばらく駐留してなさい」と言ったのだけど、ドイツは動員解除。軍隊は金食い虫だしね。

ジェルジンスキー

将来の夢は「教育関係」って、おい。

闇市

なんでもあった。みんなここで買った。もちろん禁止されていたがなくならない。だって政府の言うことを聞いていたら死ぬから。人間は意外とたくましい。

ウクライナ

穀倉地帯のせいで周辺国から狙われがち。戦争になると真っ先に戦場になるんだから、実に救われない。それにしてもウクライナがNATOに加盟申請をしたというニュースを聞くと、隔世の感がある。

フルンゼ

シベリア流刑中に軍事の本ばかり読んで目覚めたという、小説の登場人物みたいなことをした人。

ホルティ提督

オーストリア=ハンガリー海軍の提督だったから提督。当時はアドリア海に面しておりました。

ワルシャワ包囲

そもそも補給の限界をとっくに超えていたとの説あり。「このときの赤軍は山賊みたいなものだから」と言ったのはドゴール。

対ポーランド戦

ロシアはポーランドに敗北したため、賠償金を払ってベラルーシのほとんどを割譲するハメになった。なにしろリトアニアがロシアと国境を接さなくなったのだ。当時のベラルーシは一応独立国の体裁をしていたが、外交権をロシア(=ボルシェビキ)に委託していたのでされるがまま。国境線の変化はwikipediaを参照のこと。それを見れば、なんでナチスと手を組んでボーランドを分割したか分かるはず。


その8


電化

「農民が電気を神とあがめるようになる」とはレーニンの言葉。

ウェルズ

「タイム・マシン」で有名なH・G・ウェルズのこと。なんでレーニンと会見できたかというと、フェビアン協会に入っていたから。フェビアン協会はイギリスの社会主義知識人の団体で、労働党への影響力が強い。

教会

みんな教会が大嫌い。「十字架は子供のときゴミ箱に捨てました~」byレーニンあずさ

インテリ

レーニンのインテリ嫌いは高校時代にさかのぼる。兄がテロ実行犯として処刑されると、レーニンの実家(世襲貴族)には知人が誰一人として寄りつかなくなった。この世間の冷たさが根底にあると妻クレプスカヤは記している。

小鳥さん

鳥は鳥かごへ。


その9


ラパロ条約

ラッパロあるいはラパッロ。どの発音が正しいのか分かんない。なのでラパロと表記。

ジェノア会議

西欧諸国はボルシェビキに帝政時代の負債(シベリア鉄道の建設費など)を認めさせることによって国家承認をする腹づもりだったが、チチェーリンは拒否。代わりに借款を要求したので西欧憤慨。

ドイツ

ジェノア会議でドイツ関係者の顔は一様に暗かった。ヴェルサイユ条約はソビエトロシアを含んではいなかったものの、第116条でロシアもドイツに賠償を請求できる権利を留保している。連合国はこれを承認させて帝政時代の債務を認めさせようとしていた。そんなことをされたらまた賠償金がのしかかるので、暗くなろうというもの。

ラーテナウ

ラパロ条約のドイツ側立役者。ソビエトロシアと条約を結んだ&大富豪のユダヤ人なので、極右テロの標的となり死亡。後世の評価は偉大な政治家であり愛国者。


その10


レーニン

病気になってから人間がまるくなったというより、共産主義者には寛容になっていった。そのほかには相変わらず冷たい。

医師

スターリンが医師たちのまとめ役だったので、レーニンの政治への関与をコントロールしやすかったのは事実。ただ最後には面倒くさくなったらしく、「もうこの役からおりる」と言い出している(他の政治局員全員の反対で留任)。

レーニン秘書

「大会への手紙」を漏らした秘書と、トロツキーに送った手紙のことを漏らした秘書は別人。

ドイツ革命

ドイツ革命へのコミンテルンのアプローチが、またややこしい。説明めんどいんで、誰か動画作ってくれないかなあ。

トロツキー

ネップ反対。農民に辛く当たって工業化しろという主張。嫌われるに決まっている。

鋏状危機

工業生産物と農作物の価格差がハサミみたいに広がってますよー。


その11


第2回連邦ソビエト大会

スターリンだけがレーニンへの追悼を述べたわけではないが、時代が過ぎるにつれてあら不思議。グルジア人だけが喋っていたことになりましたとさ。

書記局

政治局員の解任は確かできなかったはず(他の政治局員か中央委員の同意が必要)。ただし後任の推薦ができたので、クビさえ切ればこっちのもの。

永続革命論

トロツキーはこの時期多数の論文を発表している。ペンで世界を変えるというより、他にやることなかったから。この時期すでに赤軍もその手から離れつつあった。



  • 最終更新:2018-08-10 12:34:18

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